Ⅰサムエル 21章

「それは何よりです。私に下さい。」(9節)

 箴言29章25節にこういう箇所があります。「人を恐れるとわなにかかる。」サウルを非常に恐れたダビデはゴリアテを倒した剣を、「それにまさるものはない。それをください。」(新共同訳)と受け取ります。しかし、皮肉にも、剣を手にしたダビデに不安がつきまといます。榎本保郎師は言います。「彼の心が神から物に移ったとき、神にではなく、物に平安の根拠を求めたとき、彼は不安のとりこになってしまったのである。」箴言は続いてこう記されています。「しかし主に信頼する者は守られる。」ダビデはこの経験から詩篇34篇を書きました。「私が主を求めると、主は答えてくださった。私をすべての恐怖から救い出してくださった。」(4節)榎本師は言います。「しっかりと神により頼もうとするとき、私たちは何ものをも恐れない。しかし、ひとたびその目がこの世の物に移り、ゴリアテのつるぎを『それにまさるものはない』と思うようになるとき、その日私たちは不安のとりこになってしまう。」

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